きみがどこにいたとしても
ニコニコでの作る人と見る人の距離という話。
つくるひとみるひと - 飛んでから見れ!
ここでも書いたことの繰り返しにもなるし、違う話も少しだけでも。
cocoonPさんからコメントとトラックバックをいただきました。
こんにちは、「プロデューサー」です。 - にこ繭。(cocoonPのBlog)
こちらからは挨拶もしないままに無礼なトラックバック。
失礼いたしました。
さて。
基本的にはcocoonPさんへの返答というよりは、cocoonPさんの記事を肴に
ちょこちょこっと好きなことを語ろうかなという感じ。
動画の話はよくわからないし。
また長くなってしまうかもしれないので、収納。
まぁ、つくるひとみるひと - 飛んでから見れ!でも述べたのですけど。
私はニコニコにいるあいだは、作る人も見る人も対等な立場にあると思っています。
私は小説を書くのが趣味でちょこちょこと書いて読んでもらったりしてました。
でもネット上で小説を読んでくれる人って、基本的に自分でも書いてる人だったりする。
投稿サイトなんてそれの最たるものだったり。
そういう人たちって、自分でも書くじゃないですか。
だからね、自分が書くときに気になるところの指摘がどうしても多くなる。
具体的に言えば、作法とか。構成とか。言葉選びとか。いわゆる『技術』の指摘が多くなる。
で、ときどき読む専の人がぽろっと感想を書いてくれると、ホントにぜんぜん、
思いもしなかったところを褒めてくれたり、思いもしなかったところで蹴っ飛ばされたり。
思いもしなかったことを言われたり。すごく、面白いの。
兼業読者(今命名)の人とはぜんぜん違うところを見てたりする。
個人的には私はそういうところが好きだなと思う。そういうところがありがたいなと思う。
できたらヘンに技術とかそんなことにとらわれずに、
読むのが好きだから読む。面白い本を読みたいから読む。ソレダケでいてほしい。
もっとフランクに気軽にコレ読んだらこう思った。そういうことを言ってくれるだけでいい。
作る側と見る側が同じ場所に立って同じ場所を見てくれとは言わない。
君は君の場所に立って、君の見える世界を見てくれたらいい。
ボクはボクの場所に立って、僕の見える世界を見る。
そうして、二人でその世界を教えあえたら、きっと二人の世界は二倍に広がる。
でもそんな高いところから、そんな低いところから、そんな遠いところからじゃ声が聞こえない。
君の声を聞かせて……
話は変わって。
少し自分の話をします。
小説を書き始めてから、というか、小説を書いてみようと技術をかじり始めてから自分の中で変わってしまったことがあります。
以前のように小説を読めなくなってしまった。以前のように、単にあぁ楽しい面白いとは思えなくなってしまった。
ついつい細かいところが気になってしまう。
そう『技術』を知ってしまったがために、『技術』のところが気になって内容を楽しめない。
そういうことがありました。今でもそうです。
そして『技術』を知ってしまったその日から、君の地獄に音楽絶えな、じゃなくて。
フツーの感想が書きたいのに、どうしても技術のことばかり口にしてしまう自分がいたり。
敷居さんやカズマさん(顔文字漫談のかたですよね、わかります!)がそうなるとは言えないですし、
もしかしたら、見る専で技術を語る人がほしいというだけの話なのかもしれませんが、
それでも、そうなってしまったら少しさびしいなと思ったりもするのです。
技術を知ることで、苦労を知ることで、労力を知ることで。
言いたいことも言えなくなってしまうかもしれない。
cocoonPさんのおっしゃるように無知はキケンです。それでも無知は強さにもなります。
カズマさんがおっしゃっていた、Pさんとはかかわりたくないっていうのは、
相手を知ることで知ってしまうことで、強い自分を保てなくなってしまうかもしれない。
言いたいことを言える自分が保てなくなってしまうかもしれない。
そういう恐怖があったからじゃないかなと思います。
小説の『創作者』だった自分のジレンマ。
作る側のことも知ってほしい。ここはこんな意図があってこう書いてるんだよ。
ここは実はさりげなく流してるけど、こんな技術があるんだよ。そういうこと、知ってほしい。
でも知らないでいてほしい。
何も知らないままで、思ったことだけをポンポンって伝えてほしい。
こっちの苦労も、細かいことも、全部抜きにしてほんとうに素直に、作品自体を見てほしい。
動画の紹介サイトなんて山ほどあります。
そんな中で、ひとつやふたつ、前者ができるサイトがあってもいいと思う。
たぶん、cocoonPさんの言いたいことはそういうことだとも思うのですけど。
難しいなぁと思うわけです。